Iの漂流戦士






人の出入りのない裏庭は花壇以外にも雑草で溢れていた。言われた通り花壇を見ると確かにあれ放題

一握り草を抜いてみたけど、土に埋まった根は思った以上にしっかりしていた


『はぁ………』

ナノハは周りの草を見ながらため息をついた


それは面倒だからじゃなくて、綺麗にするには時間がかかると思ったから


ナノハの家の庭に花が沢山あるのは母親の趣味。小さい頃から花を植える手伝いもしてたし、植物を育てるのは好きだった

それに…………。この裏庭を見ていると何故か自分と重なる


忘れ去られた場所。誰も思い出さない場所

諦めてるような、仕方ないって言い聞かせているようなそんな場所



『………よしっ』

ナノハは腕捲りをして、黙々と草を抜き始めた


この場所が綺麗になったら、みんな見てくれるかもしれない。こんな所あったんだねって思ってくれるかもしれないから



昼休みはあっという間に終わり、その間抜けた草はほんの少しだけ

ナノハは土で汚れた手を洗い、教室に戻った

その瞬間桜の笑い声が聞こえて、また恋愛の話をしているようだった


『でさ、さっきもメールでこんな事言ってくるんだよ?』

『えーウケる!!』


-----------なんの話をしているのか、桜が誰を好きなのかナノハは知らない

でもきっとタイミングが合わないだけで、キッカケさえあれば大丈夫。とまた自分に言い聞かせた



結局、5時限目も6時限目も桜とは話せず気付けば放課後になってしまった