Iの漂流戦士







--------この人は誰だ?

正義は目の前に居る高木功が別人のように見えた


眼鏡の奥にある瞳はまるで黒い渦のように真っ暗だ


固まる正義を見て、高木功がニヤリと笑う



『本当は分からせてあげたかったんですよ。世の中正しい事だけじゃ廻らないって事』


その目を反らす事は出来ず、まさに蛇と蛙


高木功はゆっくりとベンチから腰を上げ、正義を見下ろした




『最後に言います。俺はあなたが嫌いです。偽善者で真っ直ぐで困ってる人が居たら助けずにはいられない。そんな正義(せいぎ)の塊みたいなあなたが大嫌いです』


『……っ……』



『だからあなたはあなたがしたい事をすればいい。俺も俺でしたい事をするだけです』



---スタスタと足早に公園から出ようとする後ろ姿に、正義は慌てて立ち上がった




『た………高木君っ!!』


その呼び掛けに反応はない。正義はギュッと力を入れて呼び掛け続けた



『みんなそれぞれ迷いながらも正しい答えの方に歩き出してる。答えを見つけていないのは高木君。君だけだ』


正義の声が公園に響いたが、高木功は何も言わずその場から去って行った




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