“居場所”と聞いて、何故か正義の胸がズキンと傷んだ
『……人って全然知らない他人の方が付き合いやすい時ってあるだろ』
『…………』
『簡単に繋がれて、簡単に断ち切れる。そんな関係でもいいと思う程、人間って淋しがり屋な生き物なんだよ』
正義の足は止まったまま動こうとしない
胸の痛みは増すばかりで、それと同時に正義の目は微かに潤んでいた
『それなら何故…。何故1人では生きていけないのに、1人にさせようとする人間がこの世界に居るんですか?』
こんな事を倉木に訴えとも仕方がない事は分かっている
それに、この質問に答えられる人なんて居ないのかもしれない
だって倉木も正義もすれ違う人達も人間を生み出した神様ではないのだから
そんな正義を見て、倉木はそっと背中を押した
『俺はそんな人間にならないし、そうならない教育を学校でも愛の手でもし続ける』
『………』
『それが俺達に出来る小さくて、とても大きな事だよ』
その顔はどこか寂しげで、きっともどかしさを感じているのは倉木も一緒だった



