【殿町 駅前ターミナル】
日が完全に沈み、街灯で彩られた夜の殿町
そこへ続々と集まる未成年の子供達に、愛の手のメンバー
『今日は商店街を中心に廻りましょう。いつもと同じ二人一組で宜しくお願いしますね』
そんな一言で、蛍光緑のワッペンを付けた大人達が一斉に散らばった
『さーて、俺らも行くか』
倉木は火が灯る煙草を名残惜(なごりおし)しそうに吸い終わると、正義の肩をポンと叩いた
殿町ですれ違う若者はみんな楽しそうだけど、どこか寂しそうな目をしている
『……ここに居る子達は何を求めて殿町に来るんでしょうか?』
正義が小さな声で呟いた
どんな人でもこの街に入れば、人混みに紛れて溶け込んでしまう
まるで“人”という大きな生き物になったみたいに
倉木は小さな正義の声を聞き逃さなかった
『そんなの簡単じゃねーか』
正義は倉木の言葉に思わず足を止めた
『………?』
『居場所だよ』



