【私立北徳春高校 職員室】
次の日、正義の日常は普通通り始まった
正義のクラスメイトである横川直輝と岡吉隆志のあの事件は幸い広まる事はなかった
2人は以前のように教室で話したり、遊びに出掛けたりする関係ではなくなったけど
すれ違うとお互いに目を合わせている事を正義は知っている
もしかしたら、あの後2人で話し合って良い解決を探し出したのかもしれない
そんな2人を見て、正義は安堵(あんど)していた
だって少し間違えば憎しみや恨みに変わってしまったかもしれない
その憎しみがいずれ大きなものになって、最悪な結末になってしまう事もある
そう、あの3人のように
『星野先生どうしたんすか?深刻な顔しちゃって』
同僚の梨本がのんきな顔で正義に話しかけてきた
『……あれ?なんか目腫れてません?もしかして失恋でもしたんですか?』
『ばーか。そんな訳ないだろ』
正義は教科書で梨本の頭を叩くと同時に重たい腰を上げた
梨本の言う通り、正義の目は少し腫れていた
それは昨日聞いた一馬の話
その自ら死を選んだ理由に無条件に涙が出たからだ



