Iの漂流戦士





【殿町 オフィスビル26階 屋上】





高いビルは風の吹き抜けが強く、修の髪を強く揺らしていた


殿町の街並みを一望出来るこの場所は、半年前に倒産した会社のビル

まだ新しい建築が決まっていなく、綺麗なまま残っていた



『この場所すごいね!!街が全部見えるよ』


屋上には修の他にもう1人

それは弟である高木功


今日も公園で待ち合わせをして、そのまま殿町へと連れてきた



『俺、殿町に来たの初めてだよ。兄さんは良く来るの?』


高木功は修に気を使っているのか、わざと明るい声を出した


------------が、修の顔は暗い





『……あの花は友達に?』


高木功は修に近付き、数十分前の事を思い出していた


修は殿町に来る途中に花を買った

そしてそれを戸ヶ崎がいつも居た商店街の片隅に置いた


本当は現場に置いてくるものだけど、戸ヶ崎はきっとあの場所には居ないと思ったから



『…いや、友達になる前に居なくなっちゃったよ』



この場所は戸ヶ崎が教えてくれた場所

もっと色々な話をして、もっと戸ヶ崎の事を知りたかった


『……………ッ』


気付くと修は屋上の手すりを握り締めていた