Iの漂流戦士






【睦八代公園】





日が暮れ始めた公園に高木功は1人で居た


今日も修とここで待ち合わせをしてるのだが、時間を過ぎても来ない


高木功はその間ベンチに座り、難しい参考書を読んで暇を潰していた




『……………功!!』


暫くして公園に声が響いた


修はここまで走ってきたのか少し息が上がっている


『ハァ……ごめん。かなり待っただろ?』


そんな修を見て高木功はニコリと笑った


『大丈夫だよ。兄さんは約束を破らないし』


高木功にとって修に会う事は何よりも楽しみな事で、唯一自分を見せられる時間だった



『……また難しい本読んでるんだな』


修は高木功の隣に座り、手元にあった参考書を指さした


『また?』


修の前で参考書を出したのは初めてだし、一緒に居る時は本だって読まない



『お前の部屋に行った時、いっぱい本があったからさ。好きなのか?』


確かに高木功の部屋には難しい本ばかりあった

修には到底理解出来ない内容だろう




『…………好きじゃないよ』


高木功は不機嫌そうな顔をして、参考書をカバンに閉まった



『…………?』



『ただ勉強が出来れば損をする事はないし、自分が下げて見られる事もないから』