【私立緑丘高校 職員室】
倉木は今朝から落ち着かなかった
その理由は枝波修
3日前に殿町で発見し
2日前に学校を早退して
昨日は何の連絡もないまま学校に来なかった
倉木は担任として一応、自宅に電話をかけたが誰も出ない。つまり修は家に居ない事になる
無断欠席なんて高校生にもなれば珍しい事ではないし、どちらかと言えば慣れている事
でも修に関しては少し引っ掛かる部分があった
もしかしたらまた殿町に居るのかもしれない
それで柄の悪い人に絡まれて帰れなくなっているのかもしれない
倉木はそんな憶測を色々と考えていた
『------------先生おはよう』
『………!』
教室に向かう廊下で1人の生徒に挨拶をされた
それは紛れもない修だった
『え、枝波っ。お前昨日どこに居たんだよ?』
思わず倉木は修に詰め寄った
『どこって…ずっと家で寝てたけど』
修の表情に変化はなく、これが嘘なのかどうか倉木には見抜けない
『………でも家に電話しても誰も出なかったぞ?』
『あー。なんか熱出ちゃって出る気力がなかったんすよ』
今日の修は少しだけ変だ
だって普段なら自分から挨拶なんてしないし、なんとなく吹っ切れたような清々しい顔をしていたから
『………お前、何かあったのか?』
これは教師としての勘
倉木の言葉に修はわずかに微笑んでみせた
『別に何もないっすよ』
やっぱり変だ
確信はないけど、こんな風に笑顔を見せる奴じゃない
『あ、それから………』
修が思い出したように倉木を見る
その顔は笑顔だけどその中に鋭い刃のようなものを感じた
『前にも言ったけど枝波って名字大嫌いなんで、もう二度と呼ばないでもらっていいですか?』



