『普通に考えておかしいだろ』
修は念を押すように付け加えた
高木功は動揺する事なく、お茶を一口飲んだ
『さっきも言ったでしょ?俺はあなたに会いたかったって』
正直修はこんな展開になるとは思っていなかった
確かに中学校に行ったのは、顔も名前も知らない弟に会う為
会って何をするとか何を話すとか、そんな事は考えていない
ただ見てみたかった
血と血で繋がり、どこかに存在している自分の兄弟に
『……だからそれがおかしいって。ってか俺、弟が居る事すら最近知ったんだけど』
高木功の口調からして明らかに以前から兄の存在を知っていたようだ
『物心付いた時にお母さんから教えてもらいました。俺は不倫して出来た子で、父親には別の子供が居るって』
修は何も言葉が出なかった
だって、そんな事実があれば隠すのが普通の心理
だけど同時に羨ましくも感じた
自分は16年間何も知らずに暮らしてきて、
しかもあんな形で弟の存在を知ってしまった
もし修の母親が生きていたら……
高木功の母のように、隠さず話してくれたかもしれない



