Iの漂流戦士





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2人は睦八代中学から高木功の自宅に移動した

その間に会話はなく、互いの名前すらまだ知らない



『…………どうぞ』


傘を玄関に置くと高木功は何の迷いもなく修を家に招き入れた



『……………』


修の足はなかなか前に進まない

だって仮にも2人は異母兄弟な訳で、高木功の母親は父親の元不倫相手


そんな複雑な関係なのに、いきなり家に入るなんて気が引ける



『……お母さんは今仕事だから家に居ませんよ』


修の心を読んだみたいに、高木功が言う


考えてみれば修は出会ってからまだ何も説明してないし、中学校の前で待っていた理由さえ高木功は聞いて来ない



『……だったら尚更家には入れねーよ。お前のお母さん、俺の事恨んでるかもしれないし』


父親は不倫相手の子供を認知しなかった上に、子供が出来た途端その女の人を捨てたらしい

つまりその女の人が高木功のお母さん


きっと父親を恨んでると思うし、母親や俺の事も良く思ってないかもしれない



『でもあなたは俺に会いに来た。それって何か話があるからでしょ?』


『………』


まだ2人の間には大きな壁がある

でもそれを先に飛び越えたのは弟である高木功だった


『この雨じゃ外では話せません。それに………俺もずっとあなたに会いたいと思っていた。だから中に入って下さい』