Iの漂流戦士





『あー…まぁな』


戸ヶ崎の返事は少し暗かった

それどころかテンションはみるみる内に下がり、笑顔も消えている


『なぁ、修。ここに来たならあんまり首突っ込まない方が得だぜ?』


『………?』


『何日家に帰ってないとか、その理由が何なのかとか。気になるのは分かるけど、ここの連中は自分の居場所さえあればいいんだよ』


“居場所”

確かに修もそれを求めて、ここに来たのかもしれない


『だからみんな仲間だけど、ほとんど名前と年齢しか知らない。いつの間にか来て、いつの間にか居なくなる。おれらはそんな関係なんだよ』


戸ヶ崎はそう言うと、酎ハイを一気に飲みした


少し怒られた気持ちはあるけれど、それ以上に気持ちが楽になった


詮索されないし、詮索しない


それが何より今、修が一番必要としているものに感じたから


-----と、その時


急に周りの子供達がザワザワとした


そのざわめきと一緒に現れたのは、パトロールに来た大人達


優しく話しかける人も居れば、いきなり説教を始める人


『……ちっ。うぜー奴らが来やがった』


戸ヶ崎は酎ハイの缶を握り潰して、前方に投げ捨てた