Iの漂流戦士






【私立緑丘高校 職員室】



生徒達が全員帰った学校で唯一、明かりが点いている場所は職員室

普段は禁煙のこの場所で、タバコを吸っている人物が一人


机の上に灰皿を置き、グリグリと火を押し付けた



『あー時間が足りね…』


倉木はそうぼやくと、そのまま椅子の背もたれに寄りかかった


来月やる小テストの答案作りに、陸上部の県大会レギュラー決め

それと…………



『もう7時30かよ。やばいな』


倉木は時計を確認すると、やりかけの作業に取りかかった


今日はボランティア団体“愛の手”の活動日


待ち合わせは殿町(しんがりちょう)で9時には集まっていないといけない


散乱している机のディスクから資料を取りだそうとした時、

バサッと積み上げていた本が落ちた



『あーあーあー』


誰も居ない職員室で、倉木が虚しい声を出す

落ちた本を拾ってる中に、とても大事な物を発見した


それは生徒達の家族構成などが書かれた個人情報


本当はしっかりと管理しなくてはいけない物で、こんな所から出てきていいはずがない


それを一番良く分かってる倉木は若干冷や汗が出た



家に持ち帰ろう……

そう個人情報の資料を手に持った時、ふっとある事を思い出した




“名字が嫌いって、それって家族に不満があるって意味じゃないですかね?”