Iの漂流戦士






その帰り道、修はいつものように家に帰った



------ガラ。


部屋のドアを開けると、昨日と同じ光景が



『修くんおかえりー』


………またか。

そう思う反面、日常化してきたこの生活にため息すら出てこない



『あいつは?』


毎度、毎度こんな事聞きたくない



『またパチンコじゃないの?昨日けっこう勝ったらしいし』


女は机に置いた鏡を見つめ、派手な化粧をしている最中のようだ



『あ、そうだ!これ』


女は化粧する手を止めて、何かを思い出した様子


ガサガサとブランド物のバックから財布を取り出した


『はい、あげるー』

そこには一万円札が三枚


ヒラヒラとお金を持つその手は、まるで紙切れを持っているかのような素振りだった



『なに?いらないって言ったじゃん』


修は札に見向きもしない。すると女は立ち上がり、修の手に三万円を握らせた



『これはあんたのお父さんがパチンコで稼いだお金。今朝貰ったんだけど、別にいらないし修君にあげるよ』


相変わらずきつい香水

下着同然のその姿に嫌気すら感じた


『まぁ、そのパチンコ代もあたしのお金だけど。三万なんてさ、親父を気持ちよくさせればすぐ稼げるし』

親父とは、きっと風俗に来る客の事

でもそんな事より修にはずっと気になってる事があった


『ってか、何であんたあいつに貢いでんの?何の得もないじゃん』