Iの漂流戦士






それを聞いた高木功はナノハから手を離した


その顔はとても寂しげで、今にも泣きそうだった

何故か急にナノハと距離を感じて、遠く見える



『………功はそんな風に思えないの?』


ナノハの問いかけに、あの一馬の言葉が蘇(よみがえ)る


“……それでも分からないのなら、功さんにとって“一番”は修さんではないのでしょう”


高木功にとって一番大切なのは………




『無理だよ。俺は自分が一番大切だから』




修と離れたくないのは、1人になるのが嫌だから


ナノハにここに居て欲しいと願うのは、1人になりたくないから


一馬にあれだけ言われても心が動かないのは、1人になるのが怖いから


全てその理由は自分の為


3人が過去と向き合い、殺人鬼じゃなくなったら

高木功は1人ぼっちになってしまう


誰も居なくなったこの世界で



『…………功』


ナノハが歩み寄ろうとするが、高木功は避けるように後退りした




高木功にとって修、ナノハ、一馬は大切な存在で

失いたくない繋がり


だけど、その大切な人達の幸せを願ってあげられない


過去と向き合い、苦しみから解放される事を喜んであげれない



『……俺はナノハちゃんや一馬みたいには思えないよ』


誰かの為に何かをしたり、我慢したり


そんな自分で居たいと思うけど、1人になった時の事を考えると

その気持ちを優先出来なかった