Iの漂流戦士







二人が向かった先はイチョウ通り

ナノハは正義と植えたパンジーの花の前でしゃがみこんだ



『…♪♪♪♪♪♪』


いつものように鼻唄を歌いながら、ナノハは楽しそうに芽を見つめている



『……ねぇ、ナノハちゃん』

そんな後ろ姿を見て、高木功が問いかけた


『なーに?』

クルッと振り向いたナノハは、まるで歌のようにリズムのいい返事をした




『ナノハちゃんはその花が好き?』


『うん、好きだよ』


ナノハの返事は即答だった

それに合わせるかのように、高木功もまたすぐ質問する



『それなら、兄さんの事はどれくらい好き?』


ナノハは少し考えた後、ニコッと笑った


『いっぱい好き』


再び鼻唄を歌い始めたナノハに、高木功が言った






『……なら、俺の事はどれくらい好き?』


---その瞬間、ふわっと二人の間に風が通り抜けた


高木功の顔は真剣で、手には力が入っていた


2つの質問の答えはすぐに返ってきたのに、今回はすぐに返ってこない


その沈黙が怖くて、高木功は自分から口を開いた



『ナノハちゃんは俺の事が嫌いなの?』


すると、ナノハは立ち上がり首を横に振った

それを見た高木功はゆっくり歩きだす


その足はナノハの真正面で止まり、互いにジッと見つめ合った


そして、




『俺の事が好きならずっとここに居てよ』