屋上から出た高木功の足は重かった
休日の今日、若者で溢れている殿町
その人混みをあてもなく歩いていた
今まで考えないようにしていた現実が近付いてる気がする
こんなに人は多いのに、そこに繋がりなんて何もなくて
高木功がいくら歩いても、待ってくれている人は居ない
“この地球上で人間という生き物が一番多いのに、なんで人は一人になっちまうんだろうな”
一年前、修が言っていた言葉
今ならその意味が分かる気がした
だって、高木功が大切にしていた繋がりがもうすぐ消えようとしている
『----------------功』
そんな中、雑音に混じって聞こえた声
振り向くとそこに居たのはナノハだった
『一緒にお花、見に行こう?』
高木功の腕を掴み、ナノハはニコリと笑った
普段と変わらないナノハを見て、高木功はギュッと唇を噛み締めた
ナノハに掴まれている腕が無性に愛しくて……
だけど、もうすぐ無くなる
このナノハとの繋がりも
それは高木功にとって恐怖で
そんな日が来なければいいと願ってしまう
『……うん』
高木功は、ぎこちない返事をした



