【同時刻 オフィスビル26階 屋上】
殿(しんがり)町はすっかり夜の顔へと変わり、屋上から見える夜景は綺麗だった
そんな街を見つめながら、高木功の髪を夜風が揺らす
『功さんがこんな時間に居るのは珍しいですね』
暗闇の中、唯一ひかっているパソコンの明かり
気配を完全に消していた一馬は、いつの間にかドアの近くに座っていた
『……いつから居たの?』
振り向きもせず、高木功の目線は相変わらず夜景に向いていた
一馬はカチカチッとパソコンいじりながら、無表情に答えた
『功さんが電話してる時からです』
その言葉を聞いて、高木功はフンッと鼻で笑った
それを耳で感じ取った一馬は一瞬、顔を曇らせる
一馬が見ているのは例の掲示板
サイトの管理人である一馬は書き込みを一つ一つチェックする必要があった
それを見ながら一馬は冷たく、言い放す
『功さんって一体何が目的なんですか?』
一馬はパソコンから目を反らし、高木功の背中を見つめた
『それってどうゆう意味?』
何事もなかったかのような軽い口調
学ランを着ている高木功は暗闇と同化していて、薄気味悪く感じた
『とぼけても無駄ですよ。面白いものが見れる、なんてわざわざ倉木さんに言う必要がありましたか?』



