正義は自分に出来る事を考えていた
でもその前には、やっぱり知っておかなければならない事がある
『…………倉木さん』
神妙(しんみょう)な顔で正義が話を切り出した
『………?』
倉木のタバコを吸う手が止まる
正義は震える声でずっと聞けなかった事を聞いた
『修君はどうして亡くなったんですか?』
正義が今までこの質問をしなかった理由はたくさんある
だって、口にするにはあまりに悲しすぎるから
部屋には時間が止まったかのようにシーンとした空間が続いていた
倉木の手は完全にとまり、ジワジワとタバコの灰が長くなる
----------ポトンッと灰が落ちた所で、倉木が口を開く
『……修は……………』
そう言いかけた時、ブーブーと鈍いバイブ音がどこかから鳴り響いた
お互いに顔を見合わせ、正義が自分の携帯を確認する
(……俺じゃない)
チラッと倉木を見ると、ポケットから携帯を取りだしていた
その黒い携帯からは絶え間なくバイブ音が鳴っている
ディスプレイには着信の名前が表示されていた
倉木に電話をかけてきた相手とは………
“高木功”



