【私立睦八代高校前】
『嫌な天気だな………』
同時刻、降り出してきた雨を確認して高木功はビニール傘をさした
パッと傘が開き、目前である学校へと足を速める
---すると、校門前に見覚えがある車が1台
高木功はそれを見つけると、はぁ…と露骨にため息を吐き傘で顔を隠した
一歩、一歩校門に近付き、
『------高木君!』
案の定呼び止められてしまった
傘の隙間から地面を見ると、その主の靴が見えた
高木功はもう一度ため息を吐いた
『……学校はいいんですか?星野さん』
『まだ時間は早いから、急いで戻れば間に合うよ』
正義はそう言って、腕にしていた時計を指さした
睦八代高校もまた、生徒はほとんど登校して来ていない時間帯で学校は静かだった
教師である正義は、本来生徒が登校する一時間前には学校に着いてなければならない
しかし正義はどうしても高木功に会わなくてはいけなかった
高木功は普段からかなり早い時間に登校していた
理由などないけれど、それが習慣になっていたし
先生達に“優秀”を見せつけるには絶好の行動だった
それに、雨の日はいつもより早めに家を出る事にしている
なぜならば考えたくなってしまうから
兄である修の事を
色々と考えていると学校へ向かう足も遅くなる。特にこんな雨の日は
今日もそうだった
それなのにこんな憂鬱な時に限ってまた引き合わされてしまった
あまり会いたくない人物に
今日の雨は色々な人の心をかき乱す
まるで雨が真実への扉を急かすように



