正義の事を“先生”と呼ぶ修の姿に少しだけ心が痛かった
なぜなら自分が担任をしている生徒達と姿が重なってしまったから
“先生と生徒”
そんな関係だったならば、こんな壁すぐに飛び越えてみせるのに
“先生と殺人鬼”
その間にどれだけの壁があるのだろうか
それは正義にも分からない
『……先生ってさ、今まで一番幸せだった事ってなに?』
修の意外過ぎる質問に正義は戸惑った
もっとすごい事を聞かれると思っていたのに
その質問を聞いてやっぱり修は普通の10代の少年で、
殺人鬼という壁なんて、いくらでも壊せると思っていた
『……うーん。幸せな事か……なんだろうな…』
正義の表情が緩むと修が一言、言い放(はな)つ
『考える程幸せな人生を送って来たんですね。だったらあんたには無理だよ』
正義が修を見上げるとそこには“殺人鬼”ではなく“枝波修”が居た
白い仮面を外した本当の姿



