高木功が居なくなった屋上ではまだ重たい空気が流れていた
修はため息をついて眉間にシワを寄せている
その空気の中、口を開いたのは………
『修さん。僕が口を挟む事じゃないですけどいいですか?』
一馬だ
パソコンの画面から目を反らし修に向ける
修の表情が少しだけ変わり、笑顔さえ漏れていた
『何水くさい事言ってんだよ。言いたい事はなんでも言え』
いつも通りの修だ
しかし一馬は全てを見透かしていた
『功さんには逆効果ですよ。修さんが巻き込みたくないと思えば思う程、功さんは“こっち側”に来たがります』
修が一番恐れている事
いや、そうならないようにしている事。それは高木功をこっち側の人間にさせない事だった
『……功は仲間外れなの?』
ナノハがそっと修の顔を覗き込む
何にも分かっていないナノハの顔は純粋そのものだった
修はニコッと笑いナノハの頭を撫でる
『仲間外れじゃないよ。仲間になってはダメなんだ』
修の気持ちは高木功本人が一番理解していた
でも高木功は殺人鬼という結束で結ばれた三人に嫉妬さえしていた
修の弟という立場で色々な事に関わってきたが、内心は怯えていた
自分はいつまで仲間なのだろうか…と
白い仮面も、大きな鎌も人さえを殺した事のない自分がずっと兄さん達と関わっていく為にはどうしたらいいのだろうか…と
外に一歩出れば、そこら辺を歩いてる人達と変わらない
高木功は殺人鬼ではなく、ただの人間なのだから



