【緑丘中学旧校舎 屋上】




『倉木さん……』


正義の目に真っ先に入ったのはボーと立ち尽くしている倉木の姿

そしてその奥に仮面を被った少年


それを見た瞬間、ドキッ!!と心臓が大きく鳴る



(ナノハちゃん…じゃない。服装も学ランではない…)


殺人鬼01でもなければ02でもない少年は自然に03だと分かった

(でもこの状況は一体……)


錆び付いた手すりに寄りかかる宮田に殺人鬼03
。しかし殺そうとしている訳ではなさそうだ



『なんで……なんで殺さないんだよ!!』


新たな来客者よりも目の前の光景に納得出来ない裕太


『そいつの言う事は全部嘘だ!俺はまた明日からいじめられる…また明日から…』


裕太はそう言って勢い良く走り出し宮田に向かって突進して行った


屋上の周りに取り付けられた手すりは茶色に錆び付き、腰よりも低い高さだった

裕太は宮田に掴みかかり、グーッと体重をかけてゆく


錆び付いた手すりがギシッギシギシと軋(きし)み、今にも壊れそうだった



『や、やめろ…』

すでに戦意喪失している宮田は裕太の力には勝てない


いや、裕太は火事場の馬鹿力のようにものすごい強い力だった


ギシ……ギシ……ギシギシ………ガタン!!!!!!!!!!!!!


手すりの器具が下に落ちていき、宮田の体がふわっと後ろに倒れる


裕太もまたふわっと前に行きそうになったがギシッと足を踏ん張り耐えた


その直後ドサッと鈍い音がして下を見ると宮田が倒れていた