ある日の朝。


「由ちゃん!出掛けるよ!」


「ん?何だよ、こんな朝っぱらから」


「いいから早く着替えて!」


「うっせーな。わかったよ!」


アサミに言われるままに着替えると、外ではゲンキが待っていた。


「おぅ!出掛けるぞ」


「どこにだよ?」


「バスに乗ってちょっとな」


「は?バス?俺あんまり金ね〜けど……」


「いいのいいの!そこはアタシ達に任せて!」


なんか不安だったが、俺は誘いにのり、バスで20〜30分程移動しただろうか。ここは……


「遊園地じゃん」


「うん!たまにはいいんじゃないかって。ね!」


遊園地……俺は産まれてこの方、一度も来た事がなかった。


少し嬉しい。


「んじゃ、俺は一人でブラブラしてっから二人で遊んでろよ」


「は?」


ゲンキが何故か一人で離れた。てか、遊園地で一人って……。


「まぁまぁ気にしない!あれ乗ろう、コーヒーカップ!」


「ん?あぁ……いででで!ひっぱるな!」


グルグルグルグルグル……


「ギャハハハハハハ!」


「おぇ〜〜〜〜〜〜!」


これはもう二度と乗らない。


「次!お化け屋敷!」


「えっ……あぁ……」


ヒュードロドロドロドロ……


「ギャハハハハハハハ!」


「んぐわぁぁぁぁぁぁ!」


ここは二度と入らない。


遊園地……恐ろしい所だ。しかし、本当の恐怖はまだまだこれからだった。