いつも通りのダルイ通学路。


「おっ、由。珍しく早いな。今日は一時間目数学だぞ?」


ゲンキが朝から皮肉を浴びせて来る。


「あぁ、じゃないとアサミに蹴り入れられるからな」


「なるほどね。ところでお前ら、やっぱり付き合ったりしてんのか?」


「お前までそれを言うか。そんなワケねーだろ。第一、お前の元カノと付き合うのは絶対嫌だ」


「ま、いつか付き合う様な気はするけどな」


勘弁してほしい。


今まで何人に言われた事か。


そんなくだらない話しをしながら教室の戸を明けると、何やらクラスメイトがザワザワしながら俺を見る。


「そんなに俺が数学の授業受けるの珍しいか?」


と、黒板を見ると、愛だの恋だのと書いてあり、何故かアサミが教壇に立っている。


「なんだこれ?」