「ごめん、ごめん」って大して悪びれもないように言った。 「何か用か?」 「別に用はないんだけど」 と言いながら、オレの部屋でくつろぎ始めた。 「ね?お兄ちゃん。優芽先輩は元気?」 「は?知らねぇ」 突然、優芽の名前が出てきたから慌てて返事をした。 結菜と優芽は、同じバレー部だったんだよな。 「もう!知らないじゃないでしょっ。そんなんだから、優芽先輩に相手にされないのよ」 「別にオレ、相手にされなくてもいーし」 図星をつかれて意地になって言い返した。