あたしは、合宿中に何個も使ったサッカーボールを磨いていた。 「優芽、オレも手伝う」 そういってあたしの隣に腰を下ろし、サッカーボールを磨きはじめた。 「え……っ、玲央……」 どうして、玲央がここに……?! 突然現れた玲央に戸惑いを隠せない。 「……あっ、大丈夫だよ!あたしがやるし!」 あたしは、強引に玲央の手からサッカーボールを奪った。 「いや、1人じゃ大変だろ、オレも手伝うし」 だけど、玲央から奪ったそれは、いとも簡単に玲央の手に戻った。