……あ。



リチャードさんと取り残された私は、どうするべきなんでしょうか?かける言葉も見つかりません。これは多分、別れの愁嘆場ということですよね?


気まずく下を向いていると、大きな溜め息が聞こえてきました。




「ごめんね?美羽ちゃん。今誰かの携帯借りてタクシー呼ぶから待ってて。」



力ない笑顔を顔に貼りつけてリチャードさんは部屋に戻っていってしまったので、私も玄関に逆戻りしました。


部屋の中からはまだ誰かの笑い声や叫び声が聞こえてきます。扉が閉まっていたせいで、部屋の中の人たちには今の会話は聞こえていなかったようです。




それにしても瑠奈さん、思い詰めていたようで心配です。



…それに咄嗟に追いかけて行った拓海も。




………心配です。



本当に。