君はガラスの靴を置いていく






『…………下?』


千花の目線がゆっくりと下がり、それは目の前の川へ。『あ、………』と声を出した千花はようやく気付いたみたいだ。



『ここだったら二つの花火が見れると思って。
ショボいけど一応、誕生日プレゼント?』


川には空を写し出した花火が揺れていた。

赤、黄色、緑、青。色とりどりのカラフルな色が川を鮮やかにしている。

水面に写る花火はゆらゆらといびつだけど、月明かりのおかげでキラキラしていた。



『有り難う……。なんか嬉しくて気持ちを上手く言えないんだけど……』


千花は本当に感動してくれていた。


まぁ、これは考えていた訳じゃなくとっさの思いつき。だってプレゼントなんて買ったら余計気使われそうじゃん。

それに形に残らない方が記憶に残るし。



『千花、17歳おめでとう』


改めてそう言うと、


『ありがとう、宮澤君』と千花は笑顔で言った。


その後1時間ぐらい花火を楽しみ、時間もそろそろ遅くなってきた。千花は夜遊びをするタイプじゃないし家に帰さないと親が心配する。



『じゃぁ、最後に………』


俺はそう言って意外なものを千花に渡した。


----------それは線香花火。

実はこれもここに来た理由の一つ。

この前花火をやった時、線香花火がまだ数本余ってたし片付けしたのが増田だからもしかしたら残ってるんじゃないかって。


そして俺の予想通り、草むらには数本の花火が落ちていた。

あれから雨は降ってないし湿ってもいないから多分、使えると思う。