君はガラスの靴を置いていく






千花を後ろに乗せて、どんどん花火会場から離れる。暫く自転車を走らせて着いた場所は利根川の川沿い。

そう、この間みんなと遊んだ場所だ。


ここは祭り会場と川を挟んで対面の位置にある。


時間を確認すると花火まで後2分弱だった。



『千花、ここに座ろう』

俺は草むらに座り込み、その隣を指さした。


千花はワンピースを器用にお尻の下に敷いて、チョコンと体育座りをしている。小綺麗な格好と草むらが何だか合わなくてそれがちょっと可愛い。



『今日楽しかった?』

なんとなく聞いてみる。俺達の頭上にはいつの間にか大きな月が出ていた。


『うん、すごく楽しかったよ』

多分千花はそうじゃなくても、きっと楽しかったって言う。でも千花の顔は嘘を付いてなかった。



『それなら良かった』

ひとまず安心した所で、ピゥーーと言うあの音が聞こえてきた。そして


------------------ドンッ!!!と大きな花火が夜空に咲く

一発目の花火は赤色で、それに続くように次々たくさんの花火が打ち上がった。



『……………綺麗』


俺達しか居ない空間で千花は空を見上げながら感動していた。そんな中、俺は千花をこの場所に連れてきた理由を教える。



『千花、下見てみて』