君はガラスの靴を置いていく





時間が進むにつれて、手を繋いでる事も違和感がなくなっていた。

小さな林檎飴を食べた後、二人で水風船をした。
千花の洋服に合うピンク色の風船を取ってあげたら嬉しそうに笑ってくれた。



『もうすぐ花火が始まりそうだね』

人の波は花火会場へと流れ、開始時間を知らせる
アナウンスも聞こえてきた。


『そう言えば今年から大きな花火が打ちあがるんだよね』


千花はピンクの水風船をポンポンしている。勿論、花火を見ずに帰るつもりはない。でも-------。



『千花、こっち』

『………え?』


俺は花火会場とは逆方向へと千花の手を引いた。


祭りでは知り合いに会わなかったけど花火会場はまずい。範囲が狭いしなんかあいつらが居そうな匂いがする。

そうゆう勘は当たるから、まじで。



『宮澤君、どこ行くの?』

俺に手を引かれながら千花のサンダルの音が響く。


『ここよりもいい所』


花火が打ち上がるまで後10分。

俺は目的地を言わずにそのまま自転車を取りに行った。