君はガラスの靴を置いていく





それに千花は大きな勘違いをしている。俺が優しさで千花と手を繋ぎたいって?



『優しさ?下心だよ』


『………え?』


この人混みだったら手を繋ぐチャンスだって思ったし、理由は優しさだけじゃない。


『それと誤解されたくないなら夏祭りなんて誘わないから』


千花に興味があるから、
千花が気になるから、
千花が可愛いから誘った。

なのに俺が誤解されるとか、どこまで千花は鈍感なんだよ。割りと押しまくってるつもりなんだけど。



『そんな変な事考えなくていいから繋ごうよ、
ね?』


俺は再び手を差し出した。

下心と知って千花は繋いでくれるのか、俺にとって大きな賭けだ。


千花は迷いながらもそっと俺の手を握ってくれた。その手は小さくて不慣れな感じが伝わってくる。



『千花、りんご飴食べようか。林檎好きでしょ?



可愛い宝石みたいな飴が並ぶ出店を指さした。千花はしっかりと手を繋いだまま、

『……うん』と頷いた。