歩行者天国をどんどん歩いていくと、神輿やお囃子(おはやし)の音も聞こえてきて混雑はピークに。

小さい千花はその人混みに飲まれてしまいそうでこっちがハラハラする。



『千花、手繋ご?はぐれるといけないし』


俺はさりげなく千花に手を差し出した。


『……で、でも学校の人達たくさん居るし、もし見られたら……』


それって俺と手を繋いでる所を見られたくないって事だよな。それもそうか。

俺と親しいなんていい評判にはならないし。



『じゃぁ、繋がなくていいから俺の洋服掴んでてよ』


はぐれたら見つけるの大変そうだし、せっかくの時間が勿体ないじゃん。

------------すると、千花は慌ててグイッと俺の腕を引っ張った。



『あ、あの、今のはちょっと上手く伝わらなかったと思うけど私が見られて困るんじゃなくて宮澤君が困るかなって………』


『…………?』


『だって私と手なんて繋いだら誤解されちゃうでしょ?宮澤君は優しさで言ってくれてるだけなのに』


千花の顔は真っ赤で俺が断られて怒ったと思ったのかな。全然そんな事ないのに。