図書室は三階の一番端にある。
と、言ってもこの学校に入学して図書室を利用した事は1回もない。
前に昔の卒業アルバムが見たくて中に入っただけで、それ以来近付く事もなかった。
----------------ガラッ。
ドアを開けると中はとても静かで本の匂いがした。
壁に沿うように並べられた本棚、そして中央にはテーブルと椅子。俺は日本史コーナーに行き、資料を戻した。
あまり利用してる人は居ないみたいだし、今度サボるのに使えるかも。なんて思っていると……………
『---------------あれ?』
丁度、本棚の影になっているテーブルに人の姿が見えた。
真剣に本を読んでいて、その後ろ姿は俺に気付かない。
『千花』
そう肩を叩くと、ビクッと体が反応した。
『わ、宮澤君………』
千花が居るテーブルにはノートとシャーペン。
それに難しそうな本の山。
『1人で勉強?』
俺はさりげなくその隣に座りノートに目を向けた
千花の字は綺麗で、とても小さい。文字は人柄が出るから俺はよく雑だって言われる。