『先輩のクラス2―5ですよね?3―1と当たったら面白いのになぁ』


でも悠里は薔薇と同じ。

綺麗だけど触るとトゲがあって近付き過ぎると危険な女だ。


『は?』

『豊津先輩のクラスですよ。豊津先輩好きな人にいい所見せようと張り切ってるんじゃないです?
競技大会で付き合っちゃうカップル多いらしいですよ』


『………なんでお前が色々知ってるわけ?』


『私の情報網すごいですよ?でも豊津先輩の場合は分かりやすすぎです。あの人モテるのに一人の人しか見えてないんですもん。

先輩の元カノさん。名前は糸井千花さんでしたっけ』


知ってるのにわざと聞いてくるこの感じが自分と似てて腹が立つ。


『なにが言いたいの?』

『別に。先輩がどんな顔するのか見たかっただけです』


--------だろうな。
悠里の考えてる事は手に取るように分かる。だから逆に俺の考えてる事も悠里には見透かされてる気がして怖い。


『純粋そのものって感じの人ですよね』

悠里の視線を追うと、そこには2組の応援をしている千花が姿があった。


『なに、羨ましいの?』

とっさに出てきた言葉。だって悠里の視線がそう見えたから。


『さぁ、どうでしょうね』

悠里はニコリと笑ってみせた。