外が雨だからか学校はジメジメしていて窓も開いてない。逆にむし暑いけど雨の匂いは不思議と嫌いじゃなかった。


そういえば視聴覚室って前に行った事あったっけ。あの時は……………


-------------ガラッと扉を開けると、中にいた人物と目が合ってしまった。


『………』『………』

あぁ、なんでこういう偶然は重なるのかな。


俺は頼まれた紙を教壇の上に置くと、チラッと
“生徒会実行委員会”の文字が見えた。

だからか、っと1人で納得しつつ気付いたら声をかけていた。



『ごめんね。
俺と付き合った事で評判下げちゃって』


それは机に1枚1枚、資料を置く千花だった。

きっと今日の放課後、生徒会があるんだろう。
新学期はなにかと委員会が多いから。


『………』

千花は無言だった。


まぁ、俺だって話しかけない方がいいかなって思ったけど、無言で立ち去るなんて不自然じゃん。

でも俺と関わりたくないだろうし、これ以上話す必要もない。俺が部屋から出ていこうとすると………

千花はやっと声を出した。



『よ…………宮澤君』


言い直された名前は付き合う前に戻っていた。