君はガラスの靴を置いていく





『今日は彼女とデートじゃないんですね』

悠里は早速歩きながらアイスを食べ始めた。悠里の本性を知ってるからか、この感じに違和感がある。


『私がコンビニに行ってアイス食べるのそんなに変ですか?』

こうして見ると普通の女子高生なのに、この洞察力はやっぱりさすがだと思う。


『悠里のイメージ的に行列が出来るアイス専門店とか行ってそうじゃん。しかも並ぶのはパパでお前は金も払わず食べてる感じ?』


『はは、どんなイメージですかそれ』

クスクスと笑う顔にはまだ幼さが残っているような気がした。


『飽きちゃうんですよね、高いものって。
ほら、お肉ばかり食べてるとたまには魚が恋しくなるでしょ?』

『………』


いや、その例えが合ってるかは分かんないけど。


『-----------♪♪♪♪』

何故か悠里は鼻歌を口ずさんで俺と肩を並べている


こんな事言いたくないけど、別荘でみんなをもてなしたり、甘い香水を漂わせて、キラキラのアクセサリーを身に付けたりするより、今の方が全然いいのに。

まぁ、本人は安い男が近寄ってこないようにわざとやってるのかもしれないけど。



『あ、そうだ。写真の事増田先輩から聞きました?』

『………写真?』


『海に行った時みんなでけっこう撮ってたじゃないですか。あれをうちでプリントアウトしたんですよ。増田先輩と女子メンバーは今日うちに取りに来る予定なんですけど……』

『…………』


『洋平先輩少し時間あります?丸山先輩の分もついでに渡したいんですけど』