そんなことを思っているうちにすぐに目を開け、再び言葉を紡いだ。



「俺達が誰彼構わず斬り捨ててると思ってんのか?」



その言葉に迷わずこくりと頷く。


だから私はここから逃げ出したんだ、殺されるかもしれないという思いに駆られて。


私の返答に土方歳三はさらに眉間に皺を寄せ、ついには立ちあがった。



「そんな訳ねえだろ!」



大声で怒鳴られ、彼の顔を見ずに驚きで体をびくっとさせる。

それ程のことを、私は言っていないはずだ。


……もしかして私の新選組に対する見方が間違っていたの?


そういうことだ、と冷静さを取り戻して座った土方歳三の溜め息が言ったような気がした。



「好きでやってるんじゃねえ。全てはこの国の為さ」



そう言って彼は眉間に寄せていた皺を元に戻した。

その顔を恐る恐る覗いてみると、そこには優しげな表情があった。


昨日の態度は何だったんだ!

……と思わず言いたくなるほど、昨日の態度とはまるで別人のようで若干気持ちが悪い。