だから今更ながら、普通に傘を持ってきた方が良かったかな、なんて思ってみる。


後悔先に立たず。


まぁ、そんなところかな。

夕立はいきなり起きるものだし、仕方ないってことで。



「おい、村瀬。ちょっと研究室に来い」



掃除が終わり、重いリュックを背負った時、後ろから担任の低い声が聞こえて振り向く。


研究室というのも、担任は英語の先生だから、きっと英語研究室のことだろう。



「あ、はい」



無表情で言う。

すると担任は歩き出し、私はその後をすぐに追った。



担任が足を止めて開いたドアの上には、やはり「英語研究室」の文字があった。


これから何を言われるんだろう。


気になりながら、英語研究室に足を踏み入れ、「そこに適当に座って」と促されるまま、ソファーに座った。


担任も私と向かい合って座る。

そして何やら、紙を差し出してきた。