かさの向こうに縁あり

「……あの、実は一つ、副長さんに相談事がありまして。よろしければ少しお時間いただけますか?」



私にとって、ここにいる“信頼するに足る人物”。

副長さんもそのうちの一人に、いつの間にか含まれていた。

本当は平助か原田さんに相談したかったけれど、仕方ない。


私の言葉が意外だったのか、何故だか副長さんはそれが信じられないようで、怪訝な表情をした。



「相談事?……まさか、平助の次は俺狙いか?あ?」


「は?誰がいつ、人を狙ってここに来たって言いましたっけ?ええ?」


「何だと?」



何か文句でもあんのか、と副長さんは私に顔を詰め寄らせてきた。

私も負けじと少しだけ睨みつける。


鳴り止んでいた銃声がまた響き始めたことなど気にもとめず、それは数秒間続いた。

でも、ふと、副長さんは眉間に寄せた皺をなくした。




「……ひよこ、鶏になったみたいだな」




――は?何を言っているんだ、この人は。

あまりにも唐突にそんなことを言われたから、一瞬で思考は停止した。



「誰が鶏なもんですか!私はれっきとした人間です。それにひよこでもないです、“ひより”です」


「ひよこはあだ名だ、理解しろ」


「そんなのとっくに分かってます!」



副長さんは呆れたような表情になっている。