かさの向こうに縁あり

彼は何かを隠しているーー


前から薄々感じていたことではあったけれど、それはどうやら真実のような気がする。


平助はしばらくしてから、笑みを作り、口をゆっくりと開いた。



「……うん、話そう」



本当は話したくない、というような気持ちが、そのたった一言から伝わってくる。

いや、もしかしたら話してはいけないことなのかもしれない。


それでもいい。

それでも平助の“何か”を知ることができたなら、それでいい。


……いや、違う。



ーーもしかしたら平助のこと、何も知らないんじゃない……?



知っているのは、彼が新選組の八番隊組長だということと、あとは……あれ。


それ以外は何も思いつかない。

もっといっぱい知っている気になっていただけだったんだ。

きっとそれは、いつも傍にいてくれたからで。


私、本当は何も知らないんだ……



「あっ、そうだ……ごめん、今から用事があって……話はまた後でね!」


「えっ、うん……」



愕然としていると、平助は急用を思い出したようで、そそくさと部屋を出ていってしまった。