天にまで続く螺旋階段を、オレオは全速力と駆け抜ける。


魔王の本拠地ということもあり、強力な邪気を放つ魔物たちが次々と襲いかかる。


圧倒的な数の差。


勇者体質のオレオでも、これだけの数を一体ずつ相手にしていては身体が持たないだろう。


以前のオレオならば、とっくに力尽き今頃魔物の餌となっていたはずだ。


だが今のオレオには聖剣がある。


一太刀浴びせば、例え急所を外しても一瞬にして浄化させる聖なる刃。


如何にオレオよりも力がある魔物とはいえ、聖剣には敵わない。


聖剣の力に頼り過ぎるのもどうかと自嘲ぎみに微笑みながらも、問答無用に太刀を下ろす。


四の五の考えている暇はない。


聖剣は勇者の血を引く者しか扱えないのだ。


だったら思う存分その力を発揮してもらおうじゃないか。