「アモス様が僕達をアモール帝国に行かせたのは、なにかお考えがあってのことでしょう? でしたら謝る必要などありません。ね、マリ」


マリに同意を求めると、彼女もそうだと微笑んだ。


遠回りではあったけれど、失ったモノもあるけれど、聖剣を手にすることができた。


今はその事実に素直に喜びを感じている。


「儂の中でも色々と考えがあったのだがな。その話は全てが終わってからにしよう。それよりも、魔王に関するある情報を手に入れた」


「ある情報?」


「嗚呼、魔王の根城と通じる空間転移の魔法陣が、アモールのとある洞窟に隠されているらしい」


「魔王の城に!?」


驚きの声。だがアモスは渋い表情のままこう続ける。


「確かな筋からの情報じゃ、まず間違いない。ただ詳しい場所まで特定出来ていないらしいが……」


魔王に通じる魔法陣。その魔法陣が隠されている洞窟。