コーズの意識が戻った。


だが喋ろうとするたびに吐血し、苦しそうに眉をひそめる。


「喋んな! 今治療してんだから!」


無理に喋ればそれだけ身体に負担がかかる。


怒気が籠った声色でエクターは叫ぶが、コーズは無理やり笑みを作ると、右手で首の麻紐を手繰り寄せてある物を手に取った。


それは妹のミウから渡されたカギの形をした神器。


「これ、を……オレオ……に。あらゆる、ゲホッ、呪縛を……解き、放つ。神器に、して……罪の、証……ゴホッ」


「いいから喋んな! ほんとに死ぬぞ!」


顔はどんどん青ざめ、あれほど荒かった呼吸も静かになっていく。


身体が抵抗することを拒んでいる。これでは本当に……。


「オレオ、に……よろし、くな……?」


無理やりカギを手渡すと、コーズはゆっくりと瞼を閉じた―――