頼んでもいないのに、目の前を歩く少年は自慢げに語ってくれた。


右目に黒い眼帯を施し、清々しいほどの水色の髪を靡かせる少年の後を追う異国の者達。


周りの壁は見たこともない物質で出来ており、怪しいグレーの輝きを放っている。


アモール帝国帝都。グジュツ。


三人は目隠しをされたまま、ここグジュツに連行された。


この建物がなんなのか、自分達がこれから何をされるのか、三人には何の情報も入ってこない。


ただ連行されている最中、あのケイという青年が部下に対して「グジュツの本部へ連行しろ」という言葉をたまたまオレオが耳にしたので、自分達が帝都にいるということだけは知ることができた。


そしておそらく、ここは軍事基地。


「他に聞きたいことは?」


顔だけこちらに向ける少年。


彼の名はエクター。オレオ達の監視役であり、現在三人をある場所へ連行中。