白銀の剣が細かな粒子になって消える。


ベモスは自らの頭部を踏み潰すと、脳しょうが弾けとんだ。


まるでカメが甲羅から頭を出すように、新たな頭部が首から生まれ出る。


その様子を無言で見つめるサイ。


ベモスはサイに向かって鋭い爪を振り上げる。


直撃かと思われたが、ベモスの前足に謎の魔法陣が浮かび上がり、サイに当たる寸前に黒炎によって前足は燃え尽きた。


一瞬して灰となった足。さらに頭上から無数の閃光がベモスの元へ迸る。


正体は稲妻。


稲妻の衝撃は凄まじく、轟音とともに砂漠の砂はベモスを中心に吹き飛び、クレーターのような地形に変貌させた。


オレオとコーズは衝撃に巻き込まれ、砂と一緒に吹っ飛んでいったが、魔法を放った本人は微動だにせずベモスの様子を確認している。


強力な稲妻の群れ。それでもベモスはしぶとく生きていた。