神隠し

だから、お礼に行かなければならない。

あの2人に。

先祖の心を表した、この和菓子を持って。

…きっと待っている。

でももしかしたら…和菓子なんて飽きた、と言われるかもしれない。

だから背負っているリュックには、コンビニで買ったたくさんのお菓子が入っている。

もしかしたら、向こうへ引き摺りこまれるかもしれない。

だけど不思議に心は落ち着いていた。

あの2人とずっと一緒にいられるのなら…と思えるアタシは、すでに人でないのかもしれない。

体は現実にここにあるけれど、心はすでに…向こう側にある。