ある日、シロは、 「クロ、突然だけど俺、明日から隣町のガソリンスタンドでバイトする事にしたんだ。だから前みたいにずっと一緒にはいられないけど、メシの事は心配しなくてもいいからな」 と言って、僕の頭をなでた。 バイトって言われても、僕にはよく分からなかった。 会えなくなるのは寂しい。 だけど、不安は少しもなかった。 シロは 「バイト〜バイト〜♪ フフーン♪」 ――と、変な鼻歌を歌っていた。 「いらっしゃいませ〜っ」 と突然叫んで、僕を驚かせたりもした。