僕には何が起きたのか、全く分からなかった。

「……ご主人」

僕はご主人を見つめたまま、ぼう然と立ち尽くしていた。


そして、ずっと言いたかった言葉……。

「ご主人、本当にごめんなさい……。僕は、僕は……」

謝る僕を、ご主人は強く抱きしめて、

「生きていてくれたんだね! よかった、よかった……」

と繰り返しつぶやいた。


僕との再会を、ご主人が喜んでくれている。


僕は涙が止まらなかった。