そんな僕の気持ちは置き去りのまま、ショコラのご主人は家の中に消えてしまった。 「何だ! この首輪、ブランド物じゃないか!」 ショコラのご主人の大きな声が、家の中から聞こえる。 「ショコラのご主人にも、あの首輪のカッコよさがわかるんだなぁ」 こんなときなのに、僕はちょっと自慢げな気持ちになり、フッと笑った。 そばにいて策を練っていたショコラは、それを見て、 「お前! なに笑ってるんだよ!」 と気持ち悪がった。 子イヌは、 「僕のせいだ」 と、泣いてしまった。