それから穏やかに時は過ぎ、シロは念願叶って学生になった。 『センモン』というところで “ドウブツの世話” の勉強をするらしい。 シロは何日も前からずっとソワソワしていた。 “デビュー” の服とか、僕に見せてきた。 何度も鞄をひっくり返して、中身をチェックしていた。 “年下のヤツらに馬鹿にされたら嫌だし……” という事らしかった。 「…………」 僕もオバアチャンも、その様子を黙って見ていた。 とはいえ、こんなに生き生きとしているシロを見る事ができて、僕は本当に嬉しかった。